川村 隆 氏の本を拝読しました。
著者は日立グループの元 会長、社長です。
2009年に日立が過去最大の7873億円の最終赤字を出した直後に、社長就任し、V字回復を成し遂げることになるのですが、同氏がどういう考え方で仕事に向き合ってきたかが記されています。
売上高10兆円に迫るコングロマリットでトップになる人物はスケールが違います。
でも、スケールは違えど
①現状を分析する
②未来を予測する
③戦略を描く
④説明責任を果たす
⑤断固、実行する
という事業の進め方は、奇抜なものでもありません。
ただし、基本に忠実に計画を実行に移すという、当たり前のことを高いレベルで実行しているということです。
日立グループのレベルの大きさになると、組織が大きすぎて、難しいんだろうな。
同氏は
成長産業に力を入れ
成熟産業からは撤退する
を基本的な考えとしています。マーケティングでいうところのプロダクトライフサイクル理論(1960年代 レーモンド・バーノンが提唱、フィリップ・コトラーが体系化)なのですが、これだけの大企業での撤退は本当に大変なんだろうな。まさに、何をやめるかが戦略です。結果 過当競争ではない、社会イノベーション企業に舵が切られました。
表題:ラストマンは文字通り最後の人→自分の後ろにはもう誰もいない→最終的な責任を受け入れる人の意です。著者が30代の時、上司である工場長から言われた言葉に入っていたフレーズです。
経営者だけではなく、すべての企業人がそういう意識を持つことで、日本の企業は今後も世界と競合していけるとあります。
経営者ではない私に何ができるのだろうか。まずは以下の3点かな。
・自分の持ち場についてはすべての責任を引き受ける覚悟を持つ。
・問題が起きても逃げない、責任転嫁しない
・組織への貢献を通じて、稼ぐ(利潤を社会に還元することを意識する)
別件ですが、
撤退事業となった日立のプラズマテレビWOOOとか、録画用HDDカートリッジ iDVRって今、どうなったんだろう。。
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